株式会社 中電とは?
皆さま、(株)中電(ちゅうでん)てあまりご存じないですよね。
某、電力会社さんとは全く関係はありません。
また、中国系の会社でもありません。(純粋に日本の群馬県の会社です)
申し遅れました。私、(株)中電 の代表取締役 齋藤力也と申します。
弊社は、アナログレコードのカートリッジを製造しています。
なぜ、私たちがアナログレコードのカートリッジを製造し続けているのか? その歴史も含めご紹介させていただきます。
(株)中電の設立は、1996年です。
1980年代後半にはすでにCDが台頭してきた時期ですので、なぜ1996年にアナログレコードカートリッジの会社を設立したの?という疑問は当然でしょう。
この辺りの経緯を先ず振り返ってみますね。
実は、弊社の前身は群馬県にあった「中央電子工業(株)」でして(中央電機さんではありません)現在は存続しておりません。(三洋電機株式会社の関連だったこともあり、その後の経緯は皆さんご存知かと)
そして、CDが台頭しレコード業界が一気に冷え切ったころに、切り捨てられようとしたアナログレコード用カートリッジ業務を当時同社取締役だった「樽屋 毅(たけし)」が買い取り独立し新たに立ち上げたのが「(株)中電」(私は2代目となります)です。
先代はカラオケ用マイクの営業もやっておりまして、自社のマイクを持って夜な夜なスナック通い。そこでカラオケを歌って(歌はとても上手でしたよ)最初はわざと下手に、そしておもむろに自社のゴールドマイクを出してうまく歌いなおし...「これはマイクが良いからだ!」と。今ではそんな営業は通らないかもしれませんが、当時はかなり好評だったようです。(本人談) (話が脱線しました)
先代は中央電子工業(株)で取締役だったわけですが、会社の方針でアナログ関連を切り捨てられることに非常に憤りを感じたようです。協力会社様もデジタルに移行できない方もいらっしゃいましたし、カートリッジが無ければレコードの再生ができなくなる。「カートリッジを必要な方が少しでもいれば、俺が作り続ける」と。
ですので、当時主力製品だった「セラミックカートリッジ」「MMカートリッジ」が現在の(株)中電でも主力になっています。これらは三洋電機はもとより、国内外の多くのレコードプレーヤーメーカー様へOEM提供をしていました。今もOEM提供が弊社(中電)の8割ほどを占めています。
今はセラミックカートリッジってないのでは?という方もいらっしゃいますが、現在も多分レコードカートリッジでは世界で一番多く使われています。(1万前後のプレーヤや、カセット、ラジオ、CD一体製品、ポータブルレコードプレーヤにはほぼセラミックカートリッジが使われています)
これ、今も弊社で生産しています。(コピーされて、ほとんどはコピー品が搭載されてしまってます。Φマークが付いてる製品が弊社のカートリッジあるいは弊社の部品を使用しているものです)
そんな経緯をたどってできた(株)中電ですが、中央電子工業から独立後にセラミックカートリッジとMMカートリッジを作り続けて約20年。2015年に先代 樽屋毅が永眠し私が会社を引き継ぎことになったのです。
さて、会社を引き継いだとはいえ、当初はOEM先からの注文をこなすだけで精いっぱいでした。
ところが、レコードカートリッジの業界を見渡せば高級・高額なMCカートリッジは新たなメーカーが出てきておりますが、日本でMMカートリッジを作り続けているメーカーは数えるほどとなってしまいました。(多分4社か5社?)
皆様に国産MMカートリッジを作り続けている会社が群馬県にあることを知っていただきたい。そんな思いから、2018年 自社ブランド「CHUDEN」としてカートリッジ及びアナログ関連製品の出荷を開始いしました。特にカートリッジに関してはOEM向けとデザインは同じでも、調整を追込んでワンランク上を目指したものを自社ブランド商品にしています。
「CHUDEN」のロゴを見ていただくと文字の上下が3本のラインになっています。
これは、先代の思いが込められていまして、
それぞれ「お客様(ユーザー様と販売店様)・協力会社さんと社員さん・地域の方々」「開発・信頼・夢と希望」を表しています。これからも社員ともども夢と希望をもって、お客様の信頼にこたえられるよう努力していきます。
株式会社 中電
代表取締役 齋藤力也